いつまでも元気に過ごすために:管理栄養士に聞く、免疫力を高める8つのカギ


アーリーン=フランシス・ウー 著(管理栄養士)著
天候の急変やインフルエンザなどのウイルス感染の増加により、ご自身や大切なご家族の健康を守ることがこれまで以上に重要になっています。
今月の健康だよりでは、香港の管理栄養士、アーリーン=フランシス・ウー氏をお迎えし、免疫力を高めるための8つの栄養戦略をご紹介します。まずは日々の食事からー内側から家族の健康を守りましょう。
ポイント1|毎日たんぱく質をとって免疫力をサポート
たんぱく質は免疫細胞をつくるために欠かせない栄養素です。日々の食事で、さまざまな種類のたんぱく質をバランスよくとりましょう。
動物性たんぱく質:脂肪の少ない肉、青魚(オメガ3脂肪酸が豊富)、卵、低脂肪の乳製品
植物性たんぱく質:豆類、豆腐、ナッツ類(抗体の産生を助けるビタミンEが豊富)
💡ワンポイント:高齢の方にとっては、魚介類に含まれる亜鉛もとても重要です。亜鉛は免疫反応を高める働きがあります。
ポイント2|主食を全粒穀物にして栄養バランスアップ
毎日の白米のうち一杯だけでも、全粒穀物や全粒小麦の製品に置き換えてみましょう。
これらには、ビタミンB群(B2、B5、B6、葉酸)や、細胞の再生や免疫反応を助けるミネラルが豊富に含まれています。
ポイント 3|“食べる虹”を意識して、1日5皿の野菜と果物を
「野菜3品+果物2品」のルールを目安にしましょう。色とりどりの食材を選ばぶのがコツです!
特に、ほうれん草などの濃い緑色の葉野菜にはβカロテンが豊富に含まれており、体内でビタミンAに変わって、粘膜を健康に保ち、病原菌の侵入を防ぐバリア機能を高めてくれます。
ポイント4|自然な調味料で免疫力アップ:にんにくと玉ねぎ
にんにく:硫黄化合物がT細胞の活性を高める効果があります。1日2~3片を目安に摂取しましょう。
玉ねぎとスパイス:クローブやシナモンなどの食材には、抗炎症作用や免疫調整作用があり、免疫力をサポートします。
ポイント 5|良い油は炎症を抑え、悪い油は免疫力を低下させる
過剰な脂肪、特にオメガ6脂肪酸を多く含む油は、免疫細胞の働きを妨げる可能性があります。以下の油を選びましょう。
一価不飽和脂肪酸を含むオリーブオイルやピーナッツオイル
調理中は油を加熱しすぎないようにし、その健康効果を守りましょう。
ポイント6|砂糖を減らして免疫力をアップ
過剰な砂糖は白血球の動きを抑制してしまいます。
甘い飲み物やデザートを減らし、無糖の緑茶やハーブティーに切り替えることで、抗酸化力を高め、免疫細胞を活性化させましょう。
ポイント 7|キノコを毎日取り入れよう
しいたけ、まいたけ、えのきなどのキノコには、βグルカンが豊富に含まれており、ナチュラルキラー細胞やマクロファージといった免疫細胞に重要な細胞を活性化させる働きがあります。
調理中に過剰に洗わないようにして、栄養素をしっかりと保ちましょう。
ポイント8|腸の健康が強い免疫力への鍵
腸は体内で最大の免疫器官です。
食物繊維は善玉菌の増殖を助け、腸のバリア機能を強化します。
海藻は食物繊維だけでなく、ヨウ素やマグネシウムなどの微量ミネラルも豊富に含んでいます。
特に茶色の海藻は免疫反応を調整する効果があることで知られています。
栄養士おすすめの1日の食事プラン

これらの毎日の習慣には高価なサプリメントは必要ありません。大切なのは、食事の選択を意識し、バランスの取れた組み合わせで免疫力の基盤を作ることです。ご自身やご家族の健康を守るために、ぜひ取り入れてみてください。
専門家について
アーリーン=フランシス・ウー
食品安全、自然療法、植物ベースの栄養学を専門とする管理栄養士
🎓 食品安全管理学修士(英国)
🎓 自然療法ディプロマ(カナダ)
🎓 「食は薬」を提唱しており、美味しい食事を通じて病気を予防し、家族の健康を促進することを目指しています。
朝食
‣ ほうれん草とトマトのスクランブルエッグ
‣ 全粒粉トースト
‣ 中くらいのリンゴ 1個

昼食
‣ 鶏むね肉のグリルと玄米
‣ ブロッコリーとニンジンのニンニク炒め
‣ キウイ1個(握りこぶし大)

夕食
‣ キヌア添えグリルサーモン
‣ レタス、キュウリ、海藻のサラダ

栄養のある食事を通した、免疫力を高めるコツ。今日から実践してみましょう!
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